2013年03月06日
一年前よりも

検問所を過ぎて車を走らせていると、驚いたことに冨岡町から先の警戒区域に、盗難被害を減らす為なのか恐らくボランティアであろう監視員が二人ずつ車の中にいたことでした。国道6号と交差する主な道路の角かどに、浪江までずっといました。
一年ぶりの故郷浪江は、明らかに倒壊家屋が増えていました。わが家も傷みが進んでいました。明らかに違っていたのは、泥棒の痕跡でした。ベッドの上に置いたはずのない引出しが、重ねて置いてありました。金目の物を探したのでしょう。動物ではなく人間が、そして時間がわが家を荒らしていました。
帰りに、津波にやられた請戸地区を見て来ました。瓦礫はまだ残っていました。田んぼの中のあちこちに漁船が横たわっていました。慣れた道でも家がない道を走ると、どこを走っているか判らなくなります。船のいない港、ガランとした市場、崩れた防波堤…。そこで息子が箪笥を見つけました。中に着物が入っていたそうです。私が仲間たちと共同して所有していたプレジャ−ボート「ISOMARU III」も今はなくなってしまいました。慰霊祭が行われた場所で、亡くなった同級生の漁師や知人を思って手を合わせて来ました。
Posted by ほりせん at 02:43│Comments(0)